読み込み中...
読み込み中...
Guide
歩くたびにかかとがパカパカする——このとき多くの人が「サイズが大きいんだ」と考えて、次はハーフサイズ下を買います。 そして今度はつま先や幅が痛い靴が増えていく。実はかかと浮きの原因は大きく3タイプあり、サイズを下げて解決するのはむしろ少数派です。 このページでは原因の切り分け方と、対策の正しい順番を解説します。
最終更新日:2026年8月28日
かかと浮きの原因は、次の3タイプに分かれます。まず自分がどれに当てはまるかを切り分けてください。
つま先も幅もジャストなのに、かかとだけ抜ける——この場合、靴の踵まわり(ヒールカップ)の大きさ・カーブが自分の踵の形と合っていません。 ヒールカップの形は木型ごとの個性で、サイズを半段変えても踵まわりはほとんど変わらないため、 サイズ調整では解決しないのがこのタイプの特徴です。
歩くと足が靴の中で前に動き、その分かかとに隙間ができるタイプ。原因は「長さが余っている」だけでなく、幅が広すぎる・紐で甲を固定できていないことも多いです。 「長すぎるのかな」と感じても、実は幅やウィズが合っていないせいで足が止まっていない、というケースは珍しくありません。
新品のうちはソールが硬く、靴が足の曲がりについてこないため、かかとがわずかに浮きます。0.25〜0.5cm程度の浮きなら慣らし期間中は正常です。 ソールに返りがつき、中底が沈んでくると自然に収まるので、このタイプは対策不要。様子を見てください。
タイプ①(ヒールカップ不一致)の人がサイズを下げると何が起きるか。踵まわりはほとんど変わらないまま、つま先と幅だけが窮屈になります。 さらに深刻なのは、足の曲がる位置(母趾球)と靴の曲がる位置がズレること。全長が短くなった分、母趾球が靴の屈曲点より前に来てしまい、 歩くたびに靴が変な位置で曲がって、今度は指や甲の痛みが生まれます。
象徴的なのが、J.M.Westonのシグニチャーローファー #180で知られる「万力締め」の問題です。 180は踵まわりが大きめの木型のため、日本人の踵だと幅で合わせるとある程度抜けるのですが、 この抜けを嫌ってきついサイズを選ぶフィッティングは「修行」と呼ばれ、快適に履けず手放す人を生んできました。踵の抜けをサイズで殺そうとすると、靴全体が凶器になる——覚えておいて損はありません。
なお、タイプ②(前滑り)も、まず試すべきはサイズダウンではなく「足を靴の中で止める」対策です。次の章から順に見ていきます。
ここからは、かかと問題の少し深い話です。「かかとの食いつきはヒールカップの大きさで決まる」と思われがちですが、 筆者の実感では、それ以上に効いているのはかかと周辺の履き口(トップライン)が内側に絞り込まれているかどうかです。 履き口のフチが踵の骨の下のくぼみに沿って内に入っている靴は、ヒールカップに多少余裕があっても踵に吸い付きます。
ただし、履き口を強く内側に絞った靴は、製造時に木型を抜きにくく、履き口が切れるリスクがあるため、 安価な量産靴ではまず採用されません。「高い靴は踵が抜けにくい」と感じるとしたら、理由のひとつはここにあります。
この構造は作り手の側でも使われていて、たとえばローファーの木型は「甲を上げて履きやすくし、そのぶん履き口の側面を絞って脱げないようにする」設計が知られています。 英国の靴研究機関SATRAも、履き口は低すぎると踵抜けのリスク、高すぎると擦れの原因と、両側の失敗を指摘しています。 試着のときは、履き口のフチが踵にどう沿っているかを指でなぞって確かめてみてください。
Q. かかとが浮くのは、サイズが大きいからですか?
A. そうとは限りません。原因は大きく3つあり、①ヒールカップ(踵まわりの木型)の形が自分の踵と合っていない、②幅の余りや甲の固定不足で足が前に滑っている、③履き始めの馴染んでいない時期の一時的な浮き、のどれかです。サイズを下げて解決するのは実は少数派で、原因の切り分けが先です。
Q. 新品の革靴でかかとが少し浮くのは普通ですか?
A. はい。ソールがまだ硬く返りがない時期は、0.25〜0.5cm程度の浮きなら正常の範囲です。ソールが曲がるようになり、中底が足に沈み込んでくると自然に収まっていきます。慣らし期間を過ぎても大きく抜ける場合は、別の原因を疑ってください。
Q. かかとが小さい・細い人は、どう靴を選べばいいですか?
A. ヒールカップが小さめの木型と、履き口(トップライン)が内側に絞り込まれたつくりの靴を選ぶのが近道です。足の細い方向けの木型を持つブランドから探すか、同じ「かかとが小さい」悩みを持つ人のレビューでモデルを絞り込むのがおすすめです。
Q. ヒールグリップ(かかとに貼るパッド)は効果がありますか?
A. 摩擦を増やす応急処置としては有効です。ただし原因が前滑り(幅の余り・甲の固定不足)の場合、足が前に動く根本が残るので効果が続きにくいです。先に紐の締め方とタンパッドで足を後方に留め、それでも残る浮きにヒールグリップ、という順番が正解です。
Q. ローファーでかかとが抜けるときはどうすれば?
A. 紐で調整できないローファーでは、履き口の絞りと甲の設計がほぼすべてです。サイズを下げると今度は甲や指が痛くなることが多く、解決しないことが多いです。踵の抜けにくさは木型ごとの個性なので、履き口が合う木型を探す方が早く、同じ足のタイプの人のレビューが一番の手がかりになります。
かかとが合う一足は、同じ足の人のレビューから見つかります。
Author
この記事を書いた人:靴コミ運営者
革靴専門YouTubeチャンネルの運営に携わる革靴愛好家。自身も既製靴のサイズ選びに悩んだ経験から、 実際の足長・足囲データに基づく革靴レビューサービス「靴コミ」を開発・運営しています。
Column
About
靴コミとは?
足が小さい・細い・大きい・幅広で靴選びに悩む方へ。サービスの仕組みを見る
Guide
甲が低い足・幅が狭くて細い足の方の革靴の選び方
足が細い・幅狭・甲低で靴がスカスカな方へ。自分のウィズを調べて、合う一足を。
Guide
甲が高い足・幅が広い足の方の革靴の選び方
革靴がきつい・痛い方へ。3E・4Eでも妥協しない一足の選び方。
Guide
サイズが大きい足の方の革靴の選び方
28cm・29cm以上で選択肢がない方へ。スニーカーとの違い・UK換算・探し方。
Guide
サイズが小さい足の方の革靴の選び方
23cm・24cm以下で選択肢がない方へ。スニーカーとの違い・UK換算・探し方。
Guide
足のサイズの正しい測り方(足長・足囲・ウィズ)
紙とペンで5分。実寸からJISサイズとウィズを自動判定できます。
Tool
靴サイズ換算表(cm・UK・US・EU)
UK5は何cm?自動換算ツールと早見表で3秒で答えが出ます。
あなたのレビューが、
誰かの一足を決める。